

ホイール
ホイール 流れ着いていた だれかの うしなった漂流物 届ける場所を まちがっていても 返す場所を まちがっていても あなたが必死に 抱いてきたそれは わたしが めをつむってきたなにかだ わたしが 忘れてきたうただった
2016年12月25日
子規の庭
目に映るしろかべ 柿色に ぽうっと明るくて また電球を けさずにねたんだ 消灯ボタンに てをのばせば 電球は 蒼白く ねむっている あさひだ どうしてけせるものか 手もとの こんな ボタンひとつでー ふいになみだが でそうになった あなたの存在も そのような光だ
2016年11月26日


朝陽に
あなたを そしてあのひとを 朝陽に すかして みてみたら どんなにきれいに ひかるのでしょう。 そういうひとになりたかった。 いちまいの すかし和紙のような。 ひっそりと 心の文様を 守り続けて生きているひとに。
2016年7月27日