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春分け


また花びらのような雪

とおい海のそこで

しんだサンゴのかけらが

ここに降ってきて

つもっているように思われた

同時に視界のすみの方から

…こころを冬に

とどめてはならない

そう言い残す声がして

背中を汚した路肩の雪が

濡れた影に、変わりはじめた

わたしは、花の陰に行く

あなたも、春の足元へ歩けと

伝えながら、黒い川、コンクリの上を流れていた

いまなら、素直にうなずける気がした

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