Lisa Takahashi
2016年11月26日
子規の庭
目に映るしろかべ 柿色に ぽうっと明るくて また電球を けさずにねたんだ 消灯ボタンに てをのばせば 電球は 蒼白く ねむっている あさひだ どうしてけせるものか 手もとの こんな ボタンひとつでー ふいになみだが でそうになった あなたの存在も そのような光だ
Lisa Takahashi
2016年11月13日
誰の手のひら
雪がつもって また 晴れた朝 ゆきむしが 飛んでいた 厳しい氷の世界の どこに その身の シェルターが あったというのか 枯庭 暫くみつめていた ゆきむしが 飛ぶ。 無言の大地の 手のもとに 守られ― その 小さな わたむしの ひとつが まるで わたしに 見えたとき...