top of page

いずみから

ゆきむしの飛ぶ午後 

素敵な女性を おみかけした 

とても好きだった 作曲家さま 

その方、とある有名な 

先生のお弟子さまでした 

お師匠は亡くなってしまったけれど 

ふたりのお仕事は確かに一体 ひとつの世界を作ってらした 

お呼びとめすると 

歩みを戻してくださった 

先生はなにをどのように 

あなたに 教えられたのですか… 

どうしてそのように 在れるのですか… 

きけるはずもなかったけれど、ずっとお尋ねしたかった 

澄み渡る旋律の 沸く始まりを 

彼女は、目をみてうなずいてくれた 

やさしいほっぺに、戦士のような厳しさはなかった 

―先生がおしえてくださったのは 

    わたしに何が できるのか 

おだやかなひとみの向こうから 

そんな答えが 聴こえた気がした 

たえない泉の 沸くおとだった 

最新NOTE
 
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page