Lisa Takahashi
- 2016年2月14日
雨のなか、馬車がいく
ぼたぼた、雨がふっている音がする。 花が、ぼんぼりのようになって、 そとにふりしきっているようにきこえる。 季節は空からはじまっているよう。 かざりものにしていた、玄関のおもちゃカボチャ。 揺りおこされたように、顔をくずし、わらいはじめた。 かぼちゃのにおいが、玄関にたつ。...
Lisa Takahashi
- 2016年1月24日
燃え出すもの
何を伝えにきているのですか。 ゆき。 握りしめたあと、燃えるように熱いのですが。 じぶんの心、そして体。 生きているのか 分からなくなる時、 はだかんぼの手で、あなたを掴むようになりました。 モンゴルの少女が、笑顔で教えてくれたすべ。...
Lisa Takahashi
- 2016年1月21日
うみの底から
空をみあげると、青いお月さまが浮かんでいました。 木々に讃えられて、うかんでいました。 あの枝先に、指をあわせて、木々の想いに、溶けてしまえたら。 そうしたら、大切な心をまた、はっきり思い出せる気がした。
Lisa Takahashi
- 2016年1月11日
ほういちさま。
いつ頃までか 手のひらも、手の甲も、自由帳だったのは 宿題 当番 放課後の約束 覚えられない英単語 覚えておきたい先生の一言… 今は、書かなくなりました でも、みるひとがみれば みえるのですね わたしのからだ びっしりの 封印の言葉、ざんげ、やくそく...
Lisa Takahashi
- 2016年1月5日
ひかり雪
ゆきのかたちが、 ほんとうにきれいな夜でした。 これまで、ずっと不思議でした。 あんなに高い空で生まれた雪の結晶たちが そのゆびさきの一片まで、風に壊されることもなく、 天使のままで、ここに着くこと。 でも今日、のぞきこんだ結晶の一つが、 ...
Lisa Takahashi
- 2016年1月3日
在宅の夜に
ひとしごと終え、ふらふら一階に降りてみると、 居間のあかりは、もうまっくらで、親は寝床についていました。 けれど、玄関の門灯が、ぽうっと、灯ったままでした。 深夜がえりを続ける娘は、今日ひさびさに、家に居るのに。 優しき習慣に灯されたあかり。...