高橋リサ
2019年2月22日
『ちんちん電車』道新夕刊コラムNo.13
右折しようとした時、背後に迫った「ちんちん電車」。でも、彼が鳴らした警笛は、あまりに優しいメロディーでした。ここは電車と車と人との間に兄弟のような絆を成立させる街。 いつか車のクラクションも、あんな愛のある言葉をもちたい。 (北海道新聞 夕刊みなみ風...
高橋リサ
2018年12月21日
『野の聖、慶念坊』道新夕刊コラムNo.12
今年最後の掲載となりました。毎度大切な出来事を思い出させて頂き、綴らせて頂き、温かなご感想を頂き、本当に、有難うございました。 宮城県涌谷町のやまあいに、その方のお墓はありました。「慶念」さま・・・五十三人の慈父。そして私の、心の中の父。 (北海道新聞 夕刊みなみ風...
高橋リサ
2018年10月22日
『経験のメタモルフォーゼ』道新夕刊コラムNo.11
不可逆的な出会い…それを経験する前の自分には、もう戻る事ができない程の経験。 あの停電の日に見せられた光景と風景。「本当の恵み」はそこに有るのに。 現代を生きる私達は、それを享受するすべを、学び損ねて生きてきた気がした・・・。 (北海道新聞 夕刊みなみ風...
高橋リサ
2018年8月27日
『ものがたりを結ぶ』道新夕刊コラムNo.10
10回目となりました。貴重な機会に感謝いたします。 (北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2018年8月27日掲載) 『供養灯ろうのともる町で』 去年の冬。ある娘さんとお会いした。物語の創作が好きで、設定や人物、書き出しがどんどん浮かぶ。でも、自分で納得できる...
高橋リサ
2018年7月2日
『供養灯ろうのともる町で』道新夕刊コラムNo.9
たった一度でも十分だった。 ほんとうの魂が宿る風景は、胸に刻みつく力を持つ。 大沼湖水まつり。ふるさとのまつりと聞いて、私のまぶたに浮かぶのは、あの祈りの光景です・・。 (北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2018年7月2日掲載) 『供養灯ろうのともる町で』...
高橋リサ
2018年5月14日
『「交流」という和に守られて』道新みなみ風コラムNo.8
「国際交流」という和の中で体験したのは、異文化ではありませんでした。私がその後に受けたカルチャーショックは、異文化に対する、日本の同僚の心の態度でした。 守られた安全な出会いが、全て良いわけではないかもしれない。意図的に衝突を引き起こす「教育」も、計画されない「学び」もある...
高橋リサ
2018年3月19日
『ゆきを掴む』道新みなみ風コラムNo.7
(北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2018年3月19日掲載) 『ゆきを掴む』 「『寒いね』と話しかければ『寒いね』と答える人のいるあたたかさ」。歌人俵万智(たわら・まち)さんの短歌の中でも愛されている一首。気温は変えられないが、感覚に寄り添ってくれる愛しい...
高橋リサ
2018年1月26日
『つくりかけのユートピア』道新みなみ風コラムNo.6
(北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2018年1月26日掲載) 『つくりかけのユートピア』 「函館は何にもないですからね」学生や若い方々からよく聞く。就職先や観光先、休日の出先がないと言う。でも、地域に「何かがない」ことはあっても、「何もない」は有りえない。...
高橋リサ
2017年11月27日
『借りものではない物語と』道新みなみ風コラムNo.5
(北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2017年11月27日掲載) 『借りものではない物語と』 国道5号線、大沼トンネルを抜けるとすぐ、児童自立支援施設「大沼学園」がある。いま、敷地に並ぶ寮には、小・中学生の年齢の子ども達が、親元を離れ、寮長や寮母さんと一緒に...
高橋リサ
2017年11月5日
『聴こえた声』道新みなみ風コラムNo.4
(北海道新聞 夕刊みなみ風 リレーエッセイ「立待岬」2017年10月30日掲載) 『聴こえた声』 この秋、七飯町で始まった和太鼓講座で、講師を務めることになった。ある日、6歳の女の子がお母さんにくっついてやって来た。妖精のように嬉しげに、手で色々な太鼓に触れる。バチで打って...